あやしいジャージ姿の老人が、シオヤタカハルの寝室にに入っていった。
 老人はいびきをかいて眠るシオヤに近づくと、耳元でささやいた。

「眠ってますか~?目覚めたまえ…」

「・・・・」

「勇者よ~目覚めたまえ…」

「あ、あれ~。…夢?」

「目覚めたかな…」

「えっ!?誰、なんか、おじいさん、あれ?」

「ピンとくるかな?」

「!」

「よく、私を見てください」

シオヤは言われたとおりに、その老人をまじまじと見た。

「もう…、驚きませんよ。最近いろんなことありますので。あなた、きっと…」

「わかるかな?」

「おじいさん…あなた……私…ですね」

「はっはっは!さすが…私だ、カンがいい(笑)」

シオヤの前に立っていたジャージ姿の老人は、なんと年老いた…自分だった。

「こんなことが、現実に…おこるとは…」

「そう、私は、未来のあなた。しおちゃんよ。今、しおちゃんいくつ?」

「43歳です」

「そう、今私は81歳。今から38年後のシオヤタカハル…」

目の前の老人の声が、不自然すぎるくらいに自分の声と似ていたのも、妙に納得ができた。
 
※2人のシオヤが登場しまぎらわしいので。今後
現在(43歳)のシオヤタカハル=シオヤ
未来(81歳)のシオヤタカハル=老人シオヤ とする
 
老人シオヤは親しげに、シオヤに話しかけてきた。

「あまり、びっくりしないね」

「びっくりしないタイミングを選んで、会いに来てくださったんでしょう…。そして、そもそも、こんな時間に、寝室に入ってこれるなんて、泥棒とかのレベルではではないでしょうから…」

未来の自分と話すチャンスなど、なかなかあるものではない。もう、流れにまかせて、この不思議時間を感じようとシオヤは思った。

「それで、ここに来た目的はなんなのでしょうか?何か、未来のメッセージでも教えにいらしたのですか?」

 老人シオヤは、薄くなった頭をなでながら、ゆっくりと話しだした。髪型は、変わらず坊主頭だったが、すっかりと白さと薄さの目立つ坊主頭だった。

「机の上に、今、書いてる原稿あるだろ?」

「あ、はい。YPCの原稿ですね」

「森信三先生のコトバが、私を呼んだみたいなのよ。…
時空を超えてね」


教育とは。流水に文字を書くような果敢ない業(わざ)である
だが、巌壁に文字を刻むような真剣さで、それと取り組まねばならぬ。

            ( 森 信三先生 語録 )


「このコトバ。教育を感じる時に、いつも、思いだすのが、やはり森信三先生のコトバですね」

「そうだよな。81歳になっても、変わらんよ。そのキモチ・・・」

老人シオヤは、ハマキをとり出した。

「えっ?まさか?未来の私が、ハマキなんか吸うんですか?」
 
そう問いかけるシオヤに返事もせず、老人シオヤは、ただ、笑みを浮かべて、ハマキに火をつけ、美味しそうに吸い始めた。

「うちには、灰皿とかありませんよ」

「もちろん知っとるよ。持参してるから大丈夫」

「ちょっと意外ですね…未来の自分がハマキなんか吸うなんて…タバコとか絶対吸わないとココロに決めてたので…」

「まずは、それを伝えたいと思ってな…」

「えっ?ハマキを吸うことですか?」

「これが何かわかるか?」

「…ハマキですよね」

「そう。今のおまえさんのその、【タバコを吸わない】という価値観、正しいと思っていること…そのジャッジをするクセについてな…」

「私の今の考えが間違っていると?」

「そうは言っとらんよ。ただ「ジャッジ」しないという選択肢があるということよ」

「ジャッジしない?という選択肢…」

「森信三先生は、多くの普遍的な教育のありかたについて、実に私たちに多くのメッセージを残してくださった」

「ホント、そうですね」

「森先生の教育哲学は、私たちが生きる時代でも、さらにピッカピカに光っておるよ。日本を支える原動力となってる」

「それは、嬉しいです!」

「じゃろーー。ところで43歳のしおちゃんよ。今、世の中をにぎわしているニュースって何?」

「まあ、東京都知事選とか、ロシアの国をあげてのドーピング隠ぺい問題とかいろいろありますが、話題はポケモンGOですかね…」

「それそれ、それだよ、ポケモンGO」

「森信三先生とポケモンGOと何か関係があるんですか?」

「しおちゃん。今の、ポケモンGOについての世の中の様子をまとめてくれるかい」

「はい。今日がYPCの原稿締め切り日ですから、2016年7月25日現在の様子ですが…」


【そもそも、ポケモンGOとは】
ポケモンGO というゲームの配信が。日本では7月22日午前から始まった。
 任天堂の関連会社ポケモンと米ゲーム会社Nianticが共同で開発した。衛星利用測位システム(GPS)を利用し、公園やショッピングモールなどゲームが指定する場所に行くと、架空の生き物「ポケモン」が画面に現れ、それを捕まえるゲーム。

【課題】は…えーと、【賛成派】の意見としては【反対派】には【今後の危惧されること】は…専門家たちはどういってるかというと…

「しおちゃん…」

「ちょっとお待ちを、今、まとめております…」

「しおちゃん、ところで、しおちゃんはポケモンGOやってるの?」

「いえいえ、まず、私ガラケーですから…(笑)そして、やる氣もないですし…」

「ということは、ポケモンGOのゲームはやらないで、調べているということですね」

「はい。まぁ、そうですね」

「そう…か…」

「しおちゃん、しおちゃんがブログを書き始めたきっかけってなんだっけ?」

「あれ?そんなことをしつもんなさるのですか?あなたは、私だから、そんな理由などわかってるじゃないですか」

「ふふふ。そうだよね。生徒があまりにもネットトラブルにまきこまれて、そもそも、ネットの世界を教師が知らないと指導もできないじゃんって…はじめたよね」

「…」
シオヤは、はっとした。
老人シオヤは、私に何を伝えようとしていうのか。

 そういえば、ブログを書いたときには、あれほどマイナスのイメージしかもっていなかったネットの世界が、大人がきちんと使えば、なんて強力なツールなのかと感心したこと。

それから、シオヤの頭の中に、急にいろんなことがかけめぐった。
 
教員を辞めてみたらわかったこと。
東京に行ってみたらわかったこと。
被災地(復興地)に行ってみたら、わかったこと。
薬物依存で回復しようとしているダルクの方に、会ってみたらわかったこと。
生きづらさに悩む、自死未遂をした方と仲間になったらわかったこと。
発達障がい含め、コミュニケーションが苦手な学生たちの担任、就職担当になってわかったこと。
5回刑務所に入った方と、仲間になったらわかったこと。

そんなことを思いだしていた。

「あれ、そういえば、全部、自分で体感したからこそ、わかったことばっかじゃん…」

 「ん?あら、未来のしおちゃん?どこ…?」

氣が付くと、老人シオヤの姿はなかった。

やっぱり…夢だったのか?
そう思ったとき、机の上に、ハマキの吸い殻と、灰皿が置いてあるのを見つける。

「夢じゃない、夢じゃないよ…」
灰皿の横に、手紙もあった。



見たいものしか見えんよ。
ジャッジの前に、とびこんでみようか。
今、必要なのは分析屋じゃない。
事態を改善させるチカラを持つリーダーだよ。




シオヤは、自分のまわりに、クスリやうつに悩む人が多いことを考えていた。また、自分が、ひきこもり支援相談士であるという角度からも、ポケモンGOに関する情報をひろっていった。


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「ポケモンGOはお医者さんの処方やセラピストの薦めより何より、わたしのうつの治療になってる」

「ポケモンGOのおかげで、たった一週間ですごくよくなったわ。BPD(境界性パーソナリティ障害)とうつと不安障害のあるわたしを家から出してくれた」

「正直、不安障害やうつのある自分が今週末、ほとんどの時間を家の外で友だちと過ごしたなんて信じられないよ」

「ポケモンGOがわたしのメンタルヘルスに与えてる影響がすごい。おかげでやっと外に出る目的と理由ができたわ」
心理学者のJohn M. Grohol氏は、心理学系のメディア「PsychCentral」でこう語っている。
配信から1週間も経たないうちに、多くのユーザーがツイッターなどのソーシャルメディアで、ポケモンGOが自分たちのメンタルヘルス、心的状況、社会不安、うつに効いているといった発言をしている。
Grohol氏によると、うつには体を動かすことが効果的だという。ただ、うつ状態の時に体を動かそうという気持ちになるのが難しい。ポケモンGOはそのモチベーションを高めるのに有効なのだそうだ。
ゲームのおかげで外に出て、歩き、他人と話し、周辺を探索することになる。こうしたことは、うつの人や社会不安障害の人にとっては通常、ハードルが高い行為である。

「すべての人に当てはまるわけではない」と警鐘を鳴らしながらも「ポケモンGOのメーカーは、メンタルヘルスのためのゲームを作ったわけではないと思う。しかし結果的にそうなっており、前向きな効果が出ている」と語っている。

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もう一度森信三先生のコトバを

教育とは。流水に文字を書くような果敢ない業(わざ)である
だが、巌壁に文字を刻むような真剣さで、それと取り組まねばならぬ。

            ( 森 信三先生 語録 )

森信三先生は、テレビが流行ることを非常に危惧されていた。そんな時代にかかれた教育哲学なのに、今なお、ビンビンに輝く。そして、未来でも光っているという。


もう一度、森信三先生のコトバをかみしめながら、未来のシオヤが、伝えにきた【ジャッジをしない】という視点。


ポケモンGO…リアルとバーチャルの世界の融合したゲームの登場など、今、誰もが経験したことのない時代を生きているのも事実である。

普遍的に大切にしなければならない教育と。
常に進化し続ける時代に対応すべく、教育者が学び続けなければならない教育。

今、両方が必要である。


目の前の【事実】をしっかりと見ながら
そうか…安易なジャッジをせずに…

目の前の方の人生がよくなるには、自分は何ができるか?
この組織が良くなるには、自分は何ができるか?
 この日本が良くなるには、自分は何ができるか?


自分ができることを、ココロをこめて丁寧に…。


未来のしおちゃんと、今度いつ会えるだろうか。
また話したいな。

そう思うシオヤであった。





     「教育・ジャッジしない・ポケモンGO」
            しおのMT編 おわり   

※MT(=妄想タイム)を活用した文書



しあわせ連鎖プロデューサー
シオヤタカハル
(しおちゃん)








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2016.07.30 Sat l ツイてる日記 l コメント (0) トラックバック (0) l top

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